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アメリカ史から紐解く"Adlake社レイルロードランタン"のロマンと魅力

投稿日:2020年6月22日 更新日:

遂に憧れていたレイルロードランタンを手に入れました。

今回私が入手したのは、Adams & Westlake社のレイルロードランタン"Adlake KERO"です。

毎日眺めては、ニヤニヤが止まりません。笑

今回レイルロードランタンを手に入れたことでその歴史に興味が湧き、色々と掘り下げてみたところ、誕生の裏側にはアメリカの時代背景が密接に絡んでいたことが分かりました。

無駄知識ではありますが、理解が深まるとより愛着も湧いたので、今回はアメリカ史を絡めてレイルロードランタンのデザインやギミックを紹介していきたいと思います。

Adams & Westlake社とは

創業は1857年と150年以上の歴史を持ち、現在に至るまで鉄道用品全般を手がけているアメリカの会社です。

アダムスさんとウエストレイクさんが創業したことからAdams & Westlake Companyと名付けられましたが、ロゴにもあるように略してAdlake(アドレイク)と呼ばれてもいます。

余談ですが、1857年というのはAdlakeの前身となる会社の創業年であり、実際にアダムスさんとウェストレイクさんの会社が合併してAdlakeと名付けたのは1874年のことのようです。

アドレイク社は、1900年代初頭には鉄道用品全般を手がける最大手の会社の一つとして認められるようになりました。

その歴史の中で鉄道で使用する鍵、サッシ、洗面所などを手掛けてきたようですが、今回ご紹介するAdlake KERO (アドレイクケロ)というレイルロードランタンもその中の一つです。

では、次はアドレイク社が創業した1857年頃のアメリカの歴史と照らし合わせてみましょう。

1850年代のアメリカの情勢

アドレイク社が創業する少し前の時代には、西海岸にて金鉱山脈が発見されました。世に有名なゴールドラッシュです。

これによって人口が集中していた東海岸から田舎町だった西海岸へと人が押し寄せてきました。

しかし、当時のアメリカはまだ未開拓の土地が多く西海岸へ行く手段は主に以下2つしかありませんでした。

  1. 未舗装の道を馬車で半年かけて大陸を横断する方法
  2. 船で南米大陸の南端を回って4ヶ月かけて行く方法

時間と労力がかかる上に陸路はインディアンに襲われる可能性があり、航路は荒れた海を通らなければならず、どちらも危険を伴う大変な道のりだったそうです。

また、西部に人が集まったものの、東部との交流のしづらさから発展が遅れて陸の孤島状態になってしまっていました。

そこでその様な状況を打破すべく当時の大統領リンカーンが推し進めたのが大陸横断鉄道の建設。

1869年にこの鉄道が開通したことによって、アメリカは実質的に国土が一つになり、東西の交流も生まれ国全体が更に潤っていきました。

この時代は、西部開拓時代と呼ばれるアメリカ史の象徴とも言うべき時代であり、アメリカン・ドリームというアイデンティティが生まれた時代でもあるのです。

アメリカン・ドリーム全盛の時代に生まれたランタン

もうお分かりですよね。アドレイク社、そして同社のレイルロードランタンは、アメリカ人達が夢を見て西部を開拓していた時代に産声を上げ、使わ始めたのです。

そう思うとなんだかロマンを感じませんか?笑

大陸横断鉄道が出来たのを皮切りに次々と鉄道は拡大をしていて、鉄道需要が高まる中で安全に列車を走らせるのに必要不可欠だったのがこのレイルロードランタンなのです。

主な使用目的は、鉄道作業員達の灯りとしてはもちろん、信号を送るのにも使われていました。

ランタンを大きく振り回したりするサインもあったようで、その様な使い方をするのでガラスホヤを守るようにフレームが付けられたのだと思います。

CHECK余談ですが、同じ時代に生まれた世界的ブランドがリーバイス。(1853年創業)こちらは大陸横断鉄道を建設した作業員も履いていたようです。

それでは、ここからはそんなレイルロードランタンの細部をご紹介していきます。

Adlake KERO No.300

上部には『ADLAKE KERO』とエンボスが入っています。

ちなみに私が持っているモデルは、おそらく現在一番出回っているモデルです。他にも赤いホヤの物や、持ち手に木のパーツが付いている物もあります。

こちらはひっくり返して下から見たところです。

このお尻部分や先程の上部、後はガラスホヤにどこの鉄道で使われていたかのエンボスが入っている物もあるのですが、私のはありません。

1970年代以降のモデルはその様な印が省略された様で、こちらはそれに当てはまるようです。

中央の留め具を外すとパカッと開きます。

上部蓋の裏側にはスプリングが入っていて、ガラスホヤをしっかりと抑え込めるような構造です。

ホヤは乗っているだけなので簡単に外せます。

かなり見づらいですが、丸Rとホヤに記されています。多分登録商標のRマークです。

中には、心臓になるバーナーが組み込まれています。

取り出してみます。

これも簡単にスポッと抜けます。

上部のエンボスには、「NO.300 USE LONG TIME BURNING OIL ONLY」と記されています。

NO.300というのは、バーナーのモデルによって番号が変わります。私が調べた中では、NO.250とNO.300とNO.400を確認しています。番号が大きいほど太い芯を入れることが出来ようで、その分明るく照らすことが出来ます。

以降の英語をそのままGoogle翻訳に入れたら「長時間燃焼油のみを使用してください」と。

灯油かパラフィンオイルだけを使っておけば大丈夫ということでいいかと思います。

燃焼部をぐるっと回すと開くので、そのまま抜き取って燃料の補給が出来ます。

こちらのつまみを回すと芯の出し入れが出来て、これで明るさの調節をします。

実際に暗い場所で調節してみました。

大きなロウソクぐらいの明るさになります。

火の温かみのある光は、とても癒されますよね。

実際にキャンプ場で使うとこれだけでは暗いので、LEDランタンも併用して使っています。

ちなみに、あまり大きな炎にして長時間使うと煤が非常に出ます

それに関しては、灯油を使うと安い代わりに煤が出やすいので、パラフィンオイルの方を使った上であまり炎を大きくし過ぎない方がいいと思います。

私は、やや割高ですが虫除け効果のあるハーブ入りのものを使っています。

虫除け効果についてですが、初夏の林間サイトで使った際に確かにあまり虫がくっついていない印象はありました。

まとめ

今回はアドレイク社のレイルロードランタンを生まれた時代の背景と共にご紹介してみました。

自分が使う物への理解を深めると更に魅力的に見えて来ますし、愛着も強くなりますよね。

フィールドでのレイルロードランタンの佇まいは最高に無骨でカッコいいので、男前なサイトを目指したい人には特にオススメです。

ビンテージランタンは一期一会なので、どこかで出会ったら是非手に取ってみてください。きっとその魅力に引き込まれるハズです。

そして、それがランタン沼への入り口となるでしょう。笑

それではまた。

 







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